手動の順位チェックは、年間でどれくらいの時間になるか

楽天で検索して自社商品の位置を確認し、Yahoo!ショッピングでも同じことをする。主要キーワードが5つあれば、丁寧に見ていくと1日あたり10〜15分はかかります。仮に1日12分とすると、365日では約73時間です。順位は記録せず「だいたい上がった・下がった」という感覚だけが残り、施策の効果検証には使えないことがほとんどです。

つまり手動チェックには、時間が消えることと、データが残らないという二重の問題があります。自動化の価値は、単に作業を減らすだけでなく、判断に使える履歴データが手元に貯まることにあります。

毎朝7時に順位を自動記録する仕組みの全体像

relmeaでは、Google Apps Script(GAS)とGoogleスプレッドシートを使って、検索順位を自動で記録しています。サーバーを借りる必要はなく、Googleアカウントの無料枠だけで完結します。仕組みは大きく3つの部品でできています。

  • 順位を取得する処理:楽天ウェブサービスとYahoo!ショッピングの商品検索APIを使い、指定キーワードでの自社商品の掲載位置を取得します。どちらも無料で利用でき、APIキーは数分で取得できます。
  • 記録する処理:取得した順位を、日付・キーワード・モール名とあわせてスプレッドシートに1行ずつ追記します。これが履歴データになります。
  • 定期実行の設定:GASのトリガー機能で「毎朝7時に自動実行」を設定します。一度設定すれば、あとは何もしなくても毎日データが貯まり続けます。

ポイントは、出社前にデータが揃っている状態をつくることです。朝スプレッドシートを開けば、昨日からの順位の動きがひと目で分かります。検索する作業そのものがなくなります。

競合まで見るなら、同じ仕組みを横に広げる

自社順位だけでなく、競合店舗の順位も同じ仕組みで記録できます。主要キーワードごとに「自社・競合A・競合B・競合C」を並べて記録すると、施策を打ったあとに自社だけが上がったのか、市場全体が動いたのかを切り分けられます。順位の変化を「自分の施策の成果」として説明できるようになるのは、競合データがあってこそです。

記録したデータを、施策判断にどう使うか

データは貯めるだけでは意味がありません。relmeaでは、記録した順位を次の3つの場面で使っています。

1. 施策の効果を、前後の数値で検証する

商品ページのタイトルや説明文を変更したとき、その前後で順位がどう動いたかを履歴で確認します。「変更後7日間の平均順位」と「変更前7日間の平均順位」を比べれば、感覚ではなく数値で効果を語れます。効果がなければ早めに別の打ち手に切り替えられます。

2. 急な順位下落に、早く気づく

毎日記録していると、前日比で大きく順位が下がった日にすぐ気づけます。在庫切れ、レビューの減少、競合のセールなど、原因を早く特定できれば対応も早くなります。週に一度まとめて確認する運用では、下落に気づくのが数日遅れてしまいます。

3. キーワードごとの優先順位を決める

どのキーワードで上位を取れていて、どこが伸びしろなのかを履歴から判断します。すでに上位のキーワードに労力をかけるより、あと一歩で1ページ目に入るキーワードに集中したほうが、売上への影響は大きくなりやすいです。データがあると、こうした優先順位づけが具体的にできます。

はじめる順番

いきなり全モール・全キーワードを自動化しようとすると、設定でつまずきやすくなります。relmeaがおすすめしているのは、次の順番です。

  1. まず1モール・主要キーワード3つで「自社順位だけ」を毎朝記録する。
  2. 運用に慣れたら、競合店舗の順位を同じシートに追加する。
  3. 複数モールを運営しているなら、モールをまたいで1枚のシートに統合する。

小さく始めて、必要になったら横に広げる。この進め方なら、設定の負担を抑えながら、確実にデータが貯まる運用に育てられます。